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【R18】Querer【創作BL】

第28章 職場キス





長瀬のたった一人の
恋人になったんだと思ってた。

唯一無二の友達から昇格して、
てっきり恋人に
なったんだと思っていた。





「…っ」





悔しくて涙が込み上がってくる。

それでも、
信じたくない想いもあった。

涙を流さないように堪える。



長瀬はモテただろうから
それまでのことは
誰といくら遊んでいようと構わない。

ゲイだと知ってからも
俺のことを考えてくれて、
答えを見つけた先に
恋人になろうとキスしてくれた。



SEXするだけの関係じゃなく
デートも
たくさん誘ってくれた。





「男がそうメソメソ泣くな。
それともなにか?
息子を誑かしたのを
逆恨みにしようって腹か?

寛大の処置も考えてやったが
何もいう気がないのなら」



「俺が、…僕が
一方的に好意を持っていました。

誰にでも気を掛けてくれる
長瀬くんに勘違いをして…迫って…、
……弱味は握ってません。

僕はずっと男しか好きになれなくて…
キスだけでもシてって、
お願いしただけで…っ…」





これ以上、
涙を溢れさせないように堪える。



最初から俺の一方的な片想い。





どんなに欲しくて
手を伸ばそうとしても

この狭い日本じゃ手に入らない。



やっぱりここには俺の居場所はないんだ。





長瀬は悪くなんてない。


自分はゲイであり、
長瀬は自分自身の欲望のためだけに
巻き込んだんだと
事実を捻じ曲げたのであった。


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