第3章 高熱
体温計で測ったら、
昼間あった高熱から微熱にまで落ち着いて
ひとまずは安心する。
「ほかに食いたいもんあるか?
ゼリー…、ヨーグルトもあるぞ?」
「あの…」
「なんだ?」
口をもごもごさせており、
一呼吸置いてから角は続きを口にした。
「こんなに遅くまで…。
奥さんに、
心配されないんですか?」
「遅くなるからと伝えたから何も問題ない。
ほかに何かあるのか?」
「い、いえ…、別に…。
主任に…
小さい息子さんもいるって、
聞いたから…」
小さな子どもがいるから、
遅い時間帯まで家に帰らないのは
心配される要素だというのか。
それより、
意外だったのが…
「おまえに、息子がいると俺は話したか?」
歓迎会のときに誰かから聞かされたのだろうか。
まさか、
本人から俺の情報を聞き出すとも思えんが。