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【R18】Querer【創作BL】

第28章 職場キス





課長と向き合うように
会議室の椅子に座らされ、
呼び出される節もなく困惑する。


仕事は問題なくこなしていたはずだ。





「なぜ呼び出されたのか分からない…
といった顔付きだな」



「あ。もしかして例の企画書の話しですか?
期待の若手である俺たち二人に
任せてくれるっていう…」



「耳が早いな。
その可能性も十分にあったが…
残念ながら期待させるような
喜ばしい話じゃない。

──…正直に応えてくれ。

今日の11時過ぎ、
給湯室で二人でなにをしていた?」



「!?」





全身の神経が縮まった。

課長の前だから少し緊張していた姿勢も
ガチガチに固まって、
全身からイヤな汗が噴き上がる。



まさか…。





「どうなんだ、角。
思い当たる節が
あるんじゃあないのか?」



「……」





太腿の上に置いていた
拳をスーツの布ごと握り合わせる。





なにを言えばいいのだ。

なにを言っても
言い訳にしか聞こえない。

いけないことをしていたんだ。

どうすればいい。
幸せな時間を失いたくない。
長瀬と離れ離れになりたくない。

けど、俺に何ができる。

なにを言えば。



なにを言えば長瀬と、また…。





ダメだ。

もうダメかもしれない。










口数の多い長瀬でさえも黙ってる。










何も言ってくれない。




















沈黙が…苦しいよ。


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