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【R18】Querer【創作BL】

第26章 友達





人生終了のお知らせを

不意打ちに浴びせられた。





なにも、手立てはない。


ここから逃げ出したい。
逃げたいけどどうすれば。


さっきまで普通に話せていた
横にいる長瀬がこわい。

こわい。



嫌われる。





…どうすれば、










「なんだ~あの人。
急に饒舌になっちゃって…変なヒト」





ぽそっと呟くように
長瀬の独り言が聞こえた。



間が抜けたような声。

俺を…
悪くいう言葉じゃない。

蔑んで遠ざけるようなひどい言葉じゃない。





「なんかあの人、
すげーこと口にしてたみたいだけどさ。
うー寒い。とりあえずカフェ入ろうぜっ」


「あ、あぁ…」





長瀬は何事もなかったように
寒さに唇を震わせて
カフェの入り口に手をかける。

空気がかわった。

カフェの中が温かかったせいもある。
長瀬の声が、背中が
いつも通りだったせいもある。



失いかけた指先を感覚を温めながら、
メニュー表を眺める長瀬に
バレないように視線を向けた。








(…長瀬も…俺の親と同じなんだろうか)









期待は高く持ちすぎないように
ストッパーが発動した。

何もなかったように
気紛れとか勘違いなんじゃないかと
簡単に片付けようとするんじゃないか…と。





男が好きなのも…

男とSEXしたいのも…

男と結婚したいのも…


全部。



偽りだって。


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