第25章 一度だけ *
先生が与えてくれる
温かさと優しさにジワッと涙が浮かんできた。
鋭い顔も捨てたもんじゃないなと
ちょっとだけ
自分を好きになろう
とする気持ちが沸いてくる。
「…ねえ、角。
男同士のSEXって知ってるかい?」
離れていく唇を名残惜しく思っていると、
先生は肩を撫でながら聞いてきた。
男同士のSEX。
それはもちろん知っている。
インターネットの浅はかな知識だけれど、
男には女性特有の性器を有しないから
代わりに肛門をつかって交尾する。
肛門は俗にアナルといって
男同士はアナルセックスを嗜むのだ。
「なぁ、角。
大好きな先生と
男同士のSEX…して見たいよね?」
「っ…」
先生は俺から目を離さず聞いてきた。
俺という、男の身体を求めてくる。
シたい。
男の人に…組み敷かれて、
大好きな先生だから、
いっぱいたくさん犯されたい。
はじめから俺が断る理由なんてなくて、
ゴクリを唾を飲み…
頷くしか答えはなかった。