• テキストサイズ

【R18】Querer【創作BL】

第24章 初デート





上映まで時間を潰そうと
パンフレットに目を通していると…

周囲が一瞬ざわっとなる。





「…?」


「今流れてるのだよ、たぶん。
何回もあの予告編流れてんのに
映画館だと
何とも言えないくらい響くよなぁ…」


「…、」





予告編と同時に流れる主題歌。

たしかこれは
主演を務めた俳優が
同時に歌手デビューしたという
優しいような、切ないような響く歌声。





「彼女さんは主演の
大ファンだって言ってましたけど、
先生は気になる俳優さんいるんですか?」



「んー…どうだろ。
僕も、主演の牛垣くんはすごく好きだよ。
顔立ちは誰もが見惚れちゃうくらい綺麗だけど
それでいて、
全然飾ったふうでもなくて好感あるよね。

去年発売されたファースト写真集
見たことある?
あれはもう…ビックリした。
しかも彼、当時まだ17歳だよ?
角くんとそんなに変わらないでしょ。

買って見なきゃあれは分からないけど…、

って角くんはどうなの?
気になる俳優さん」



「え。俺は…」





なんとなく俳優の顔は知っているが
ドラマも映画も普段見ないから
ニュースやCMでにわかに知ってるレベル。

正直なところ名前もほとんど知らない。






「しいて言うなら俺も…、

牛垣秋彦ですかね」





特に思い当たる俳優がいなくて
先生と同じく、
牛垣秋彦の名前を口にした。



現役高校生で
俺と3つしか離れていないのに
大人顔負けの妖艶さと気品のある美しさ。
色素の薄い塩顔で端整な顔立ちなのに
意外にも筋肉質な体つきで格好良かった気がする。

朝のニュース番組だったかは定かではないが、
話し方や声も落ち着いていて
印象が良かった覚えもあった。



そんな熱狂的ファンたちは
彼を「秋彦様」と呼んでいる。










にわかにしか知らないけど。


/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp