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【R18】Querer【創作BL】

第23章 先生





そもそも俺自身、自慢すべきところはない。

足が速いとか
頭が良いとか
話が面白いとか
格好良いわけでもないのに、

2回も懲りずに告白してきた女子。





『あのさ、俺…この前も言ったんだけど』


『好きな子いないんだよね?
だったら目を瞑ってよ。
いいものあげるから…!ねっ』





目を瞑って、
いいものなんてくれるはずないだろ。

さっさと踝をかえて帰りたかったが
また言い寄られても困る。

少しきつめに言ったつもりでも
1回目と違って
女子はあっさりと食い下がることはなく、
とうとう俺の方が扱いに面倒臭くなり、
早めに終わらせることを条件に目を瞑った。





『まだ開けないでね。
私のこと見えてる?』


『見えてない』





人の前で目を瞑るなんてどうかしている。
寝たいわけじゃないのに。

しかも道のど真ん中で。



内心、早くしろと思っていると…、










ちゅっ。










唇に何かが触れた気がして、
後ろに後ずさる。





『うふっ、じゃあね!また明日~』


『……なっ…、』





駆け足で逃げて行った女子は
満面の笑みで手を振ってきて、
俺の前から姿を消す。



キスしやがった。

俺のファーストキッスを奪いやがった。

あの女…、
マジでなに考えてんだ。










その後、
その女子から一切アプローチされることもなく
キスされた謎だけがうごめく。

意識した、というより…

女の行動力が恐ろしくて
逆に意識せざるを得ない小学校時代だった。


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