第23章 先生
そんな忌まわしき過去を思い出し、
拭い去りたい
はじめて触れた唇の感触。
「ありますよ。小学4年の時…
なんかされました」
「えっ!うそ!
なんかされたって、可愛い子!?」
「クラスでは評判
良かったみたいですけど別に…」
これは自慢話じゃない。
俺にとっては忘れたい記憶。
あれが男子だったら嬉しかったのに。
誰でもってわけじゃないけど。
男に掘られたいけれど
やっぱり生理的に無理な男もいるわけで。
できるなら
中身も見た目もハンサムな人がいい。
「うわ~羨ましいよ。
小学校で初体験すんでるとか。
ほんと羨ましいな~。
中学でもモテそうだもんなぁ」
「全然ですよ。
暗いヤツなので誰も近くに寄って来ません」
「そのミステリアスさが
逆に女の子たちを
刺激したんじゃないのかな。
僕も大抵大人しい方だったけど
全く見向きもされなかったけどなぁ」
いまやモテる外見の橋爪先生だが
思春期ならではの悩みを教えてくれた。
でも俺の悩みは…
誰よりも少人数で異色。