第21章 合コン
グルグル回っていた視界も落ち着き、
安定はしないが
足腰に力は入るようになる。
「もう、大丈…」
「いや大丈夫じゃないでしょ!
タクシー呼んだから
それ乗って帰ろ」
「う、うぅ…」
無理やり立たせた足腰に手を添えられ、
気持ち悪いのと
温かいのがごっちゃになる。
靴を履かされ、
お店の中を歩き…
ほんの少しならいいかと長瀬の服を掴む。
(バレたら…死ぬな…)
ホモだってバレたら
絶対に嫌われる。
ましてや会社になんていられない。
副部長の息子なんだから
すぐに俺の首を斬れる。
給料のいいところに就職して
できるだけ節約して
たくさん貯金ためて
その金で海外へ逃避行しようと思ったのに。
長瀬が近くにいるせいで
俺の欲しかった感覚が
狂わされていく。