第21章 合コン
呼んでもらったタクシーに乗り込むと、
なぜか長瀬も乗り込んできた。
「お前乗るんなら降りる…」
「お前ん家行ってみたい!
なんかすげーボロ屋に住んでる気がするしっ」
「……」
何なんだコイツ。
キュンとした気持ちがシュンと沈む。
俺のことおちょくってんのか。
長瀬に住むところに比べたら
ランクが違うだろうけど…
築十数年のマンションだ。
交通便は悪いがそこまでひどくない。
「…家ん中には入れないからな」
「おうよ。
それはもっと親しくなってからだな~」
これ以上親しくなるつもりはない。
合コンだってこれが最後。
しつこいから付き合っただけだ。
お酒だって仕事じゃなきゃ飲みたくない。
タクシー運転手に行き先を告げ、
俺の住むマンションへと向かって行った。