第20章 ~角湊の場合~
それからというもの、
俺は夜に付き合わないものだから
昼飯はほとんど長瀬に付き合わされた。
おかげでぼっちの時間が消えてしまう。
「湊はさ、
今でも学生時代の友達と
連絡取り合ってんの?」
「ううん。友達…いないし」
「えっ、マジ?」
「…悪いかよ」
小学校も中学校、高校も大学も、
それとなく一緒に行動した人間はいたが
そこはホームの中だけ。
1度や2度は外で遊んだことはあるけれど
友達とまで呼べる間柄じゃない。
「そっかあ。
じゃあ今は俺が一番の友達ってわけか」
「…」
「返答なしってことはそういう事だな?
わーい、やったあー」
何がそんなに嬉しいんだよ、
と心の中で突っ込む。
そんな気持ちを見透かされたように
顔立ちの良い顔は
ニヤッと頬を上げた。
「じゃあさ、今まで女とも経験もないの?」
「当たり前だろ。
人付き合いは基本好きじゃない」
「じゃあ後ろも?」
「………は?」
ドキッとした。
いや、ゾッとしたに近いのかもしれない。
俺の性質がバレたんじゃないかって。