• テキストサイズ

【R18】Querer【創作BL】

第19章 戻りたい







「ユウの顔をみて、
お気付きかもしれませんが…。

俺が話すように迫って…、
今日はじめて
大変だったことを聞きました」





ユウの父親は少なくとも
児童相談所に保護されるまで、
ユウを助けてやらなかった。

だから穏やかな雰囲気に騙されて、
警戒心を解くようなことはできなかった。





「そうか…。
祐次郎のことを気に掛けてくれて有難う。

…あの時の私は、
少々よろしくないところで働いていてね。
所謂ブラック企業ってところかな。
言い訳にしかならないんだが
家庭をみている余裕がなくって、
妻に任せっきりだった。

…妻から
祐次郎が同級生にいじめられていると
聞いていたけれど。

子育ても何もかも
妻に丸投げして、
自分を取り繕うので精一杯だったんだ…」





それでユウの母親も抱えきれなくなり、
自爆してノイローゼになったと。



そういう事か。








「今の私は反省している。
あの会社を辞めて、
いまは健全な建設現場で働いているんだ。
少し、安月給になってしまったけれど
解放されたように楽になれて、
祐次郎とも以前より話すようになった。

転校して
随分葛藤があったみたいだが…

いまの祐次郎は、
いつも君たちといる学校生活でのことを
楽しそうに話してくれる。

あの高校に入学させて良かったと、
君たちと出会えて良かったと
感謝してもし切れない。

本当に、
祐次郎を救ってくれて…有難う…っ」





/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp