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【R18】Querer【創作BL】

第19章 戻りたい





立ち止まって
玄関と繋がるドアの方に身体を向けていると、

そのドアを押した
ワイシャツの上に作業着を羽織った、
自分の父親と同じ年代くらいの
ユウの父親が姿を現した。





「あぁ…友達が来ていたのか。

もしかして君が、
祐次郎に勉強を教えてくれてるっていう…」


「はじめまして。
ユウと同じクラスの牛垣武明です。
ご挨拶が遅れて申し訳ありませんでした」


「いやいや。
私も帰りが遅かったからね…。
今からお家に帰るところかい?」





父親は穏やかそうな人だ。

話しを聞いてくれない人だったって
言っていたけど、
…丸くなったのだろうか。
それとも他人相手で猫被っているのか。



話しを聞いたばかりで
少々疑う視線で見ていたら
なにかを察したユウの父親は苦笑いを零す。








「家まで送っていくよ。
もう日が暮れてだいぶ暗くなったし、
男の子でも
電車一人で乗るのは危険だからね」


「ええ。ならお言葉に甘えて」


「あっ、えっと…ご飯は…」


「祐次郎いつも有難うな。
帰ってから食べさせてもらうよ」





俺の視線に気づいて、
ユウの父親も
俺と話がしたいと思ったのだろう。



がっつり目と鼻を赤くしたユウに
気付いているだろうから。


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