第3章 高熱
ひとまず角の身体をベッドに寝かせ、
ハンガーにかかっていたタオルを拝借する。
「すごい熱だな。
帰った後、なにか食べたか?」
「食…欲…なく、って…」
「昼も何も食べてないんだな。
何も食わんと免疫力は回復しない。
うどん作ってやるから少し待ってろ」
キッチンを借りて、
手慣れた要領で具材を切っていく。
実家にいるときでも少し作っていた。
大学生になってからは自炊が基本。
(こんなんじゃ栄養不足だってのに…)
食器はあるが使われていない。
ゴミ箱にはカップ麺や弁当容器があり、
荒れている食生活をしているんだと把握する。
口煩く言いたいところだが、
いまその必要はない。