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【R18】Querer【創作BL】

第19章 戻りたい





探り出そうとして
泣かせたのは俺だろうが、

謝るようなことをしたくなかった。





「ごめ…っん…、泣くとか…ないよな。
ごめん…っ…、
…待って、いま止めるから…っ…」


「……」





普段ナヨッとしてんのに
なんでこんな時ばかり強がってんだよ。

なんでもすぐ謝って…。

引き離されるような態度をとられて
なんだか無性に
腹が立ってきてしまう。










だから俺は立ち上がって、





「半分わけろ。俺にも泣かせろよ」





怒りっつうよりも
苦しさが何十倍も何百倍も強かった。

ユウの身体を包むように深く抱き締めてやる。








「強引…。ドラマの台詞みたい」


「うっせえ。
俺は強引な男なんだよ」








ぶっきら棒に言葉を吐き捨てる。

今思ったらやってることも
吐いた言葉も
結構くさい台詞なのかな
って思ってしまった。



けれど、
ようやく手にした身体を離すつもりはない。



照れくささを隠すように
右頬や肩にユウの頭や顔を押し付け、
安心できるように後頭部を
上から下にゆっくりと撫でていく。





「……っ…」





声を殺していた声も
抑えつけられた呻き声となって出始め、

俺も薄っすらと
目頭に涙が浮かんでしまって
グッと眉間に力を入れたのであった。


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