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【R18】Querer【創作BL】

第19章 戻りたい





夕飯も食べ終わって
片付けも終わって、
勉強のペンを取りながら様子を伺う。





「…なあユウ。
ずっと聞けなかったんだけど…」


「?…」


「中学ん時、何かあったんだろ?
…話したくないことだったら
無理に聞かない。
いつか話してくれるまで俺は待ってる。

けど、気になってんだ。

ユウが時折辛そうにする度に、
どうにかしてやれないかなって…。
俺じゃあ力不足かも知んないけど、
助けてやりたいし
楽にさせてやりたいってことだけは
覚えておいてくれ」





ペンを動かす手を止めて、
真っすぐ目を見つめて俺の想いを伝える。

助けになりたい。
必要とされたい。
悲しそうな顔よりも笑っていてほしい。





するとユウは途端に顔を逸らして、
近くにあったティッシュを
目頭に抑えつけた。










(やっぱデケェもん、抱えてたんだな…)










何も答えを聞いてないのに、
姿だけで胸がすごく締め付けられる。










なんて自分は無力なんだって。



もっと早く出逢っておけばって。



その場に俺が居たらって。

























ユウにこんな顔させやがって、

…悔しいな。


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