第19章 戻りたい

家に帰る前に保健室に寄り、
過換気症候群の原因と処置法を教えてもらう。








「やっぱあの陰となんか関係あんのかな…」








最初に出会った時に感じたもの。



ユウの小中学校の卒アルを確認すれば
分かりそうな気もしたが、
なんとなく言い出しにくかった。

それに父子家庭の理由も分かってないまま。








「半年経って進歩はしてるんだろうが…」








ユウのガードは思った以上に強固。

時々それに繋がるような話になるが
ユウは話しを振られないように
回避してくる。

だからこっちも
聞きづらくなってしまっていた。








「あの雰囲気みてると
中学の時だよな…たぶん。

…いじめに遭って、
その反動で茶髪にしたとか
……あり得る」








大人しそうな雰囲気。

性格はおおらかで優しいけど
ナヨッとしたところとか
質の悪いヤツに突っつかれそうだし、
可能性なら十分にある。

だが、本人に直接「いじめられてたか？」
と聞くのはどうなんだ。



話せることなら話してほしい。

話す気になったら教えてほしい。

ずっとユウと友達でいたいし
陰が見え隠れするなら救ってやりたい。





全部忘れろってわけじゃないけど、
時折みせる
背けたり伏せたりする顔を…



どうにかしてやりたかった。