第19章 戻りたい

タケや大介、ほかの男達もそうだが
グラビアアイドルや
話題のタレントの話をする傾向が強い。

それに対しユウは
女の話をする時よりも男の話題になると
明らかに食いつきが良くなると
ふと思った。





「そ、そうかな…」





（ん。なんかマズいこと言ったか…？）





さっきまで和やかだったのに
不穏な空気の流れを察した。

ユウの顔が曇っており、
なにかを隠そうとするような
そんな目をして伏せてしまった。





「あぁいや、
男好きってのが悪いわけじゃない。
いや、違う。言い方が悪かった。

男だけどイケメン好きって
割とまわりにいるし
憧れとか…、格好良いヤツ目の前にすると
つい見ちゃうよな。

俺もその気持ち、解るよ」





男なのに男好き。
男だけど男好き。

別に変なことじゃない。



男でも色んな種類がいるし、
憧れとか抱くことは悪いことじゃないと
必死になって弁解する。





「…あっ、このドラマ見てるか？
俺ここイチバン
この俳優さん気になっててさ～」


「あ…、うん。見てるよ！
このドラマ面白いよねっ」





丁度よくCMが流れて
話を逸らす。





…そうか。

ユウはイケメン好きだったのか。

女優の話しは
あまりノリ気ではないから控えよう。



イケメンから学ぶことも多いので、
イケメンがテレビに映れば
どこが好きとか
ユウの好きなタイプを分析し始めたのだった。