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【R18】Querer【創作BL】

第19章 戻りたい





一人書けばまた一人と寄ってきて、
いつの間にか
俺の机の前は大行列。

まるでサイン会。

ほかのクラスの連中もやって来たものだから
ここぞとばかりタケは仕切って
スタッフのような働きをしている。





「牛垣くんのサインってかわいい~!」


「一目みたとき俺のだ、
って分かるのにしたくてさ。
はいどーぞ」


「きゃ~!ありがと~っ」





俺の直筆サインは
「牛」のイラストを一筆書きして
繋がるように秋彦の「彦」と書き、
牛の顔のところに
アキの「A」をとって
アルファベットを組み合わせたもの。

日付も書き終わったら
にこっと目をみて笑いかけて雑誌を返す。

それだけで女も男も顔を赤くする。





「あ、もうチャイム…。
こっから後ろの人ゴメンっ!
昼休みも書いて欲しい人いたら
遠慮なく言ってくれ。

また並んじゃうことになるけど御免な」


「うんっ!絶対並ぶ~」


「明日もサイン会やってる?!」


「いつでも歓迎する」





友達を大切に。

ファンを大切に。

クラスメイトを大切に。





外面だけは良い自信があるから
適度にフレンドリーに接して、
チャイムの音とともに
お行儀よく去っていく生徒たちを見届けた。


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