第19章 戻りたい
発売日当日。
コンビニの前を通ったが
素通りしてそのまま学校へ登校する。
先に知ったユウがうっかり話してしまったせいで
モデルの話しは学校中に忽ち広まった。
男性ファッション雑誌なのに
たった1ページの掲載だというのに
至るところの女子が
手にとって買ってくれていたことに驚く。
「うお~っ!載っている!!
しかも丸1ページに大きく!!
ここに載ってる奴がここにいるぅ!!!」
「朝っぱらからテンション高ぇ…」
「テンション高いに決まってるだろ!!
朝からアドレナリン出まくりだわ!!
ってか新人から丸1ページとかヤバくね!?
どうするどうするっ、
これブログに投稿するっ!!?」
「そうだな。宣伝しておくか」
「よっしゃあ!!
じゃあ俺写真撮る係~!!」
「それをいうならカメラマンな」
中身は見せられないから
俺の初デビューみてね、という感じで
写真を撮ってもらう。
次の目標は2ページ丸々使った
見開きってところか。
「いやしかし、見てる人は見てるな~。
学校の生徒だけじゃないでしょ
このアクセス数えぐっ。
今まで一般人だったんだよな!?
何でこんなに伸びてんの!?」
「知らん」
「所属して1ヵ月経ってないのにね。
コメントもそうだけど
読者登録数も
お昼になったら増えてそう」
「なあサインもらっていい?」
「ああ」
ファンがつけば握手や写真だけでなく
直筆サインを求められると思い、
マネージャーに相談。
前々から考えていたわけじゃないが
俺の苗字に動物が入ってるのをヒントに
サインペンで直筆サインを
さらっと書き上げていく。