第19章 戻りたい

「いや～、牛垣くん。
すぐ垢抜けちゃいそうだね！
身にまとう雰囲気もあるけど
惹き付けられちゃうし、
どんどんシャッター切りたくなっちゃうよ！」


「はは、嬉しいですね。
ウッチーさんが俺の知らないところ
見つけてくれるような気がして
こっちも必死で勉強中です」





撮り終わった写真を一緒に確認し、
見せてもらう。

まだ未完成で未熟な姿。

魅せ方とか角度とか、
こういうのを求められているのかとか
経験を積んでいって
何が必要なのか
常に考えて行動しなきゃならない。



誉め言葉を素直に受け止めつつ、
これからの仕事の糧として
自身に繋げていくことにする。





「牛垣く～ん。
仕事用のブログが出来上がったから
確認してほしいんだけど」





カメラマンと話していると
複数のモデルや俳優を抱える
マネージャーが話し掛けてきた。





「おお！格好いいですね。
ありがとうございます。
今までこうゆうの無縁で
先輩方は何か決まって
投稿してるんですか？」


「そうだねぇ。
撮影現場やファッション以外に
ハマってることとか
趣味とか頑張ってるコト、
ほかには
リアル生活なんか撮ると
女の子は妄想しちゃうよねぇ。

牛垣くん、TPOわきまえてるし
任せられると僕は思ってるんだけど、
内容に困るようなら投稿する前に
毎回チェックするのも僕たちの仕事だし！」


「それじゃあ
しばらく甘えさせてもらっていいですか？
それを参考にあげようと思います」





後日、公式プロフィールも完成。

その際、プロダクションの勧めで
牛垣武明という本名から
牛垣秋彦という芸名で活動することになった。



4月が終わって
デビューを飾る5月号の発売日が

ついにやって来た。