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【R18】Querer【創作BL】

第19章 戻りたい





スカウトで専属事務所と無事契約。

当然、契約金とか
モデルや俳優に必要なノウハウを学ぶための
レッスン料や稽古代が掛かると思ったが
年数契約という形で免除されることになった。



俺にはコンテストや
グランプリで入賞したわけではないから
人脈もコネもない。

おまけに街で声を掛けられただけで
オーディションに応募したわけではないから
業界では全くの無名。





(俺の実力でどこまで伸し上がれるか…)





専属モデルの津梅剣のようになりたい。

調べて分かったことだが
津梅はモデル以外にも
数多くのドラマや映画にも出演していた。

今現在も連ドラの収録をしているとのこと。



近くて遠いような目標…。










「高校生16歳、若いわね~!
お肌も目も歯も白くて綺麗で
吸い込まれちゃいそう!」


「…ありがとうございます」


「黒髪も張りがあっていいわね~!
すぐオファー来るわよ、
ゼッタイ!」


「…ありがとうございます」





…ダメだな。
思った以上に緊張してやがる。

会話で和ませようとしてくれるが
慣れない環境のせいで
いつもより血流のスピードが速い気がする。





「これでよしっ!
ヘアセット終わりました~っ」


「それでは撮影入りま~す」





あのとき見たのとは違って、
光の視野が狭く尖ったものに感じる。








白い背景…




強い照明…





あそこに踏み入れたら、
俺の人生変わるんじゃないかって。


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