第19章 戻りたい
綺麗に片付いている家の中。
ユウの父親が掃除洗濯などを
やっているとは思えず、
自分と同い年でキッチリしていることに
感心を覚える。
「よいしょっと」
「ずいぶん持ってきたな…」
「中学生の時から買ってたんだけど
捨てるに捨てられなくって。
去年のなんだけど、
津梅さんが表紙やったのもあるよっ!」
「へえ…。テレビで良くみる
人気俳優とかアイドルばかりかと思ったが
専属モデルの人も表紙飾れるのか」
ユウから手渡された雑誌を手にとり、
実物を思い出しながら写真を見比べる。
オシャレな格好で
自分が持っていない洋服を着こなしている。
今まで雑誌は買ったことなかったから
ほかにも
目新しい色々なグッズが紹介されていた。
「読み込んだら時間かかりそうだ。
腹減った。
先に夕飯作っちまうか」
「うん。そうだね。
今日は豚の生姜焼き作ろうと思ってて」
「生姜焼き美味いよな。
キャベツの千切りもつけるだろ。
俺いま千切りの特訓してるんだよ。
早く出来たら格好良いと思ってな」
料理といったら包丁さばき。
俺は千切りを担当させてもらい、
ほかにも玉ねぎなど
必要な材料を切らせてもらうことにした。