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【R18】Querer【創作BL】

第19章 戻りたい





負けず嫌いなところが顔に出てしまったのか。

スカウトマン小野寺と目が合うと、
にこっと笑われる。





「名刺まだ持ってる?
一応渡しておくね。

あとこれ。
ここまで歩いてきて喉渇いたでしょ。
もし気が向いたらいつでも連絡してきてね~」





そう言って
ペットボトルのお茶を手渡される。

撮影現場から離れてユウと二人で歩き出し、
目的のショップに向かう最中。





「ごめんね、俺のセイで。
あんまり気乗りしないコトだったのに…」


「いやいいよ。
俺も間近で見たことなかったし
勉強になった」





雑誌の名前くらいは知っている。

10代~20代前半をターゲットにした
若者男性向けファッション雑誌。

そこの専属モデルまで知らないが
どんな風に撮影するのか、
どんな役回りをしているのか、
モデルだけでなく
周りの会話や動きを観察することができた。





「でもすごいね!
初めてじゃないんでしょ?
親しそうだったし…
スカウトマンに声掛けられたの」


「親しくなんてないよ。
他にも何社か声掛けられたけど…」





また噂をすればなんちゃら。

見たことある別のスカウトマンが
声を掛けてきたのだった。


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