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【R18】Querer【創作BL】

第19章 戻りたい





ユウの悲しげな表情に
まんまとやられてしまった。



…ツヴァイケン。

どんな男が直接見てやろうじゃんか。
俺より格好良いのか。
ユウにこんな、
キラキラした眼差し作らせやがって…。





スカウトマン小野寺は移動中も
ユウから俺の情報を聞き出している。

学校でどうしてるとか何してるとか。

もういい。
俺は相手をみて帰るだけだ。
モデルになんて更々なる気はない。





「ちょうど撮影中だね。
ここで待っててね。
関係者以外立ち入り禁止のところだから」


「は、はい…」


「……」





生でみる津梅というモデルをみて、
ユウは「格好良い…」と溜息を漏らしている。





(確かにスタイルは良いが
……普通だろ。

俺の方が、もっと…)





カメラを向けられてポーズを撮るモデル。

よく見ると
なにかのドラマや番組で見た顔だった。

決して笑みではないのに
魅力的な自分の見せ方や角度を知っていて、
涼しい顔でカメラ目線を送ったり
目線を逸らして流したりしている。





(やべえ…見惚れてた。

つーか何が「もっと」なんだよ。
なんでこんな奴に対抗心燃やしてんだ。
意味分かんねえ…)





ユウが自分以外の奴をみて
目をキラキラさせてる。





その瞳に光を集めて見詰めていることが

無性に気に食わなかった。


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