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【R18】Querer【創作BL】

第19章 戻りたい





この時から、
ユウの表情にある陰の部分が気になっていた。



本人は誤魔化しているつもりだが
俺は無理に笑ってる表情を見抜いてしまった。

聞きたいけど聞けない。



踏み込んでいいのかと悩んだ末、
親密度をアップさせることに決めた矢先。










「う~…」


「ん?どうした?腹イタか?」


「ううん。英語が…」





今さっき英語基礎が終わり、
机に伏せてしまったユウ。


まだ序盤。

3回目の授業で大丈夫か、これ。





「めっちゃ読み仮名付けてるな。
読むのも話すのも聞くのも書くのも苦手?」


「うーん…。たぶん全部死んでる。
今まで単語暗記で乗り切ってたんだけど…
進学した高校間違ったかも」


「ただの暗記じゃツライだけだろ。
音楽とか好きか?
ロックとか、J-POPとか…聞く?」


「うん。
英語で何言ってるか分からないけど
リズム感があるロックバンドとか、
けっこう好き」


「そっか。なら耳は肥えてるんだな」


「ええっ!?
そんなっ、肥えってるってほどじゃないよ!?
たまに聞くくらいで…、えっと」


「空耳くらいが丁度良いんだ。
俺が楽しい授業にしてやる。
洋画とかも好き?」


「う、うんっ」





ユウの好きなもの、
興味があるものを聞き出す。

質問したら必ず答えてくれる。

だからユウのことが知ることができる。





「学校終わったら二人で遊びに行かないか?」





もっとユウのことが知りたくて、
俺から放課後の約束を取り付けた。


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