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【R18】Querer【創作BL】

第19章 戻りたい





タケは「小中の頃のあだ名は?」と
聞き出していた。





「……、」



(…ん?)





すると突然渋い顔をした槍木。

その表情はほんの一瞬だったが、
へらっと作った笑みを浮かべたのが分かった。





「下の名前が祐次郎だから
ユウとか、ユウくん
って呼ばれてたことが多かったかな」


「うんっ、なんか分かるかも。
じゃあユウに決定!
祐次郎ってことは、次男坊?」


「ううん。
一人っ子なんだけど…みんなは?」


「俺は上に姉ちゃん、兄ちゃんいる!」


「俺は妹!けど全然可愛くない!!」


「惜しい可愛さだよな。
大ちゃんと違って性格キツイし」


「惜しい可愛さって何だよっ」


「俺は5つ上の兄貴が一人」


「へえ~!みんな兄弟いるんだ。
羨ましいなぁ…」





どうやら一瞬の表情の変化に
気付いたのは俺だけだったようだ。



触れてほしくないように
ユウは話題を変え、
兄弟エピソードについて聞いていたのだった。


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