第18章 隣りで *
玄関ドアを閉めると、
うなじ辺りから
湊もフェロモンが漂っているのを感じる。
抱いて、抱かれたいと物語っており、
吸血鬼みたいにカプっと
後ろから唇を這わせる。
「あ…っ…」
「ここはもう俺たちの城だからな。
ダメじゃないだろ?」
「は、んんっ…」
うなじから口を離すと、
今度は前から唇を塞いで答えられなくさせる。
一度離して開いた唇のあいだに、
突き出した舌を絡ませていくと…
零れる甘い吐息。
「…はぁ、…っん…」
「このまま玄関でするか?
それともベッド?
今度、ソファーも買いに行かなきゃな」
「ベッド…、行きたいです…」
「りょーかい」
俺のキスで蕩けた顔をして、
首に腕を回す湊を
抱き抱えてベッドに連れて行く。
この住処に引っ越してきたのもつい先日。
湊の家のものは元々少なく、
部屋の片付けは早々に終わった。
俺の家のものはまだ捨てるには
使えそうなものばかりだったので
家具の買取屋さんに
出張買取してもらったのだ。