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【R18】Querer【創作BL】

第17章 親友の涙







どんな時だって必要とされると思っていた。










ユウはだって、
俺に…全部話してくれたから。

親友になったから
どんな時でも
必要としてくれるんだと思っていた。





「え…」





赤司を押し退こうとした手に力が入らなくなる。

突き離されるとは思わなくて、
それ以下のことを考えられなくて
身体が固まってしまう。





一人になりたい。










「分かっただろ。
兄貴のためにも出て行ってくれ」


「…っ…」





なんで。


なんで、と問う言葉で出なかった。



赤司に説得されるように
前に踏み出そうとした足が後ろに引けてしまう。

こんなの俺らしくない。

けれど、
俺のせいで泣かしたというのなら
ユウに謝らなければならない。





「おまえの荷物、これだろ」


「あ、あぁ…」





ユウを慰めてやらなきゃならない。

抱き込んで、
ユウが安心するまで
頭を撫で続けてやらなきゃならない。





自分が無理にでも近付けば、
ユウがもっと傷付くような気がして

こんなに近くにいるのに

踏み出した足がもう一歩

踏み出せなくなってしまった。


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