第3章 高熱
翌日。
マスク姿の角が出社してきた。
「おい角。風邪か?」
「ちょっとした鼻水です。
薬飲んできたので大丈夫です」
今日は珍しく饒舌。
角の場合、
スラスラ話しているのは違和感しかない。
「熱は?」
「微熱です」
「何℃あった正直に言え。
マスクをしているからとはいえ、
他の奴らに迷惑がかかる」
鼻詰まりの声。
顔はマスクで半分以上隠れ、
赤いような気もする。
「37.2℃、です…」
「微熱だな…。
薬は何を飲んだ?」
「…市販の…」
「いつから微熱なんだ?
昨日は何も感じなかったが…。
夜からか?」
「はい…」
微熱と鼻水以外の症状を聞くと、
それ以外はないと教えてくれた。