第3章 高熱
微熱なら少し様子をみるか。
「午後にもう一度測れ。
体温計を俺にみせろ」
「え。いや…口頭で…」
「俺は1ヵ月ばかりのおまえを
まだ信用していない」
熱は根性でなおるとか言って、
ヤル気を出されても困る。
それに、
角が休んでも
仕事を回していく自信がある。
「昼休み前に
体調が悪くなったら早めに言え。
分かったな?」
「で、でも、仕事が…」
「期限が迫っているものだけ進めろ。
頭が回らないのなら、」
「わ、分かりました!
大丈夫です、
やれます!」
「ならいい」
仕事にやる気があるのは結構。
だが、
支障をきたされるのは
こちらとしても迷惑だ。