第17章 親友の涙
自分でも分かるほど口元がにやけて、
愛しさに惚けている。
思い出しては湊を抱きしめたくなる。
こんな気持ちになるのは初めてで、
つい湊のことになって
ペラペラと話し過ぎたと視線をあげると…
「……、…」
ユウが声を噛み殺して、涙を流していた。
「…ユ 「出てけよっ!!」
「あ?なんで、」
「いいから出てけっつってんだろッ!!!」
突然ユウが涙した。
ユウの名前を呼んで近付こうとすると、
赤司が阻んでくる。
こっちはこっちで噛みつきそうなほど
怒っていて、
俺はユウが泣いているなら
近くにいなければと
赤司の肩を押しやろうと力を込めた。