第16章 清算
佑都の部屋は6帖間。
子供用のベッド。
いつもそこに置かれている
お気に入りの縫いぐるみは居なくなっている。
壁には幼稚園の時に描いた家族の似顔絵。
成長時計や記念で撮った写真飾り。
「……、」
はじめて描いてくれた父の日の似顔絵。
絵具とクレヨンでダイナミックに描かれており、
ボールや花丸とか背景を鮮やかに彩り、
にこやかな顔をしている。
夏の思い出のお絵描きでは
キャンプ場のコテージに初めて連れて行って
家族3人で森や湖で遊んだこと。
「アルバムも要らないか…」
絵本は持っていっているのに
あからさまに残されたアルバムたち。
1ページずつ捲っていくと
俺の手が写り込んでいた写真だけでなく
顔の半分や
がっつり俺の顔が写り込んだものも出てきた。
当時の思い出を遡っていると、
携帯が震えた。