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【R18】Querer【創作BL】

第16章 清算





離婚の決意は変わらない。



ただ、湊に恋をして
他人の恋する気持ちが理解できたからこそ

もう一度…、

きちんと話がしたいと思って電話した。





「義母さん…。
千恵美だけ呼び出すことってできませんか?

千恵美の携帯にかけたら
佑都が出る…可能性もあって…、
佑都には…もう、…子供には…もう…っ…」



『分かったわ。
佑都くんには気付かれないように
連絡するよう伝えるわ。

…武明くんは…、体調大丈夫?』



「ええ。食事と睡眠はしっかりとってます。
毎日、言い聞かせてきたことですから…」





佑都のことを思い出すと、
今度は俺の声が震えてしまった。



動揺を勘繰られないようにしたが、
伝わってしまったのだろう。

もう少し耳が遠くなっても良かったのに。





「じゃあこれで…。
今までお世話になりました。
もうお会いすることはないと思います」


『ええ…。私たちも楽しかったわ。
旦那には…それとなく伝えておくわね。
わざわざ電話、ありがとね。
それじゃあ…元気でね』


「はい。

……佑都のこと、よろしくお願いします。
それでは、お元気で」





義父母との事後連絡は終えた。

あとは千恵美との清算。





電話を待つ間、
ずっと近寄らなかった

佑都の部屋のドアノブに手をかけたのであった。


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