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【R18】Querer【創作BL】

第15章 帰る家





一番近くの席で

真面目な横顔で働く湊の姿。








(寝癖の頃が懐かしいな…)








最初来たときはめっぽう暗くて、

踏み入られたくない壁を確立したような距離感。



俺は部下を想う以上に、
あの頃から湊のことが気になっていたから

ズカズカと大層迷惑なことを
してきたのだと振り返る。








(…かわいい)








バレないように視線を送る。

ニヤつきそうな口元を抑える。

一緒になれたことが嬉しいと思う。








(こんな浮ついた気持ちじゃ、
会社でキス、シたくなるのも分かるな…)








近くにいたら触れたいと思ってしまう。

いま何考えてんのかなって
しゃべり掛けたくなってしまう。



俺にはまだ、
湊の知らないことがたくさんある。





もっと知りたい。

湊のこと。










人を好きになるという本当の意味を知って、


…ふと

違和感なく付けっ放しだった



結婚指輪に目が止まる。










…あいつも、

こんな気持ちだったのだろうか、と。


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