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【R18】Querer【創作BL】

第15章 帰る家





ユウから合鍵を借りており、

まだ出勤していないだろうが
人を使うのも悪いと思って自分で鍵を開ける。





「あ。アキ、おかえり~」





音に気付いたユウは
廊下からひょっこり顔を出し、

俺はすかさず手のひらを合わせて
ごめんなさいポーズをした。





「ただいま。
ユウ、一昨日は悪かった!
病院行って湊とドッジして時間忘れてた。
すまんっ」


「ううん。全然いいよ。
朝ごはんもう食べてきた?」


「おう、食べてきた。
夕飯は俺作るから。
食べたいのリクエストない?」


「そうだな~。
あっ!じゃあパエリア食べたいかな。
それより良かったね。
湊くん、仕事戻れて」


「ああ。異動命令が出されると思ったが
部下のおかげもあってな。
慣れてきたばかりだから良かったよ」





上司や人事部に何度も問い合わせて、
何とか食い止めることができた。



今日は湊にとって正念場だ。



少なからず色目でみられ
苦痛を強いられるだろう。



悪口や陰口、
肉体的いじめはないにしろ
精神的にえぐられるのは間違いない。





「……、」





スーツに着替えて、
ネクタイを首に掛けたところで手が止まる。



ユウには湊が同性愛者だと伝えている。



だから一昨日、

俺と湊は恋人同士になったことも
伝えた方がいいのだろうかと。


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