第13章 初恋
湊を車に乗せ、
ラーメン屋の暖簾をくぐる。
「…不安なことがたくさんあるだろうが
うちの連中は
おまえのこと受け入れるって。
妙な煙を立てる奴もまだいるが
味方は俺だけじゃない」
「牛垣主任の人望のおかげです。
長瀬のことも…、
ご迷惑をお掛けしました」
「おまえが謝ることじゃないだろう。
…その…、
長瀬のことは…もう、良いのか?」
湊はまだ長瀬のことを想っているのではないか。
それだけが俺の不安要素だった。
「長瀬は…
牛垣主任にひどいことをした。
長瀬には救われたことも多かったですけど…、
今はキチンと
反省してもらいたいと思っています」
「…そうか」
湊は長瀬をメールを流したことを知っているが、
利用されたことまでは知らない。
俺に気が合ったことも
見当付いているのだろうか。