第13章 初恋
あれから湊とは連絡を取れていない。
診療科クリニックの待合室で
携帯を開閉を繰り返し、
連絡を取ろうか迷っている。
(萎えたのはマズいよなぁ…)
あのとき、
俺は湊を最後まで抱くことができなかった。
キスしていい雰囲気になったのに
男の所要物をみたとき
尻込みしてしまった。
「うんー…」
「牛垣さ~ん。牛垣武明さ~ん。
1番診察室にお入りください」
「…はい」
40歳くらいの男性医師。
淡々と問診を終え、
診察ベッドに横たわって
肛門を触診やら医療器具を使って検査される。
「はい。以上です。
支度を整えて椅子に座ってお待ちくださーい」
診察が終わったら、冷たい消毒液をかけられた。
手袋を外して手洗いが終わった医師は
内視鏡の結果を説明してくれる。
採血で感染症もなく、
内視鏡でも異常は見られなったとのことだ。
まずは一安心だ。