第12章 知らせ
ザァァァー…とシャワーを浴びると
気持ちがだんだんリセットされていく。
バスルームから出ると
濡れた髪を
ユウがドライヤーで乾かしてくれる。
マッサージ付きで。
その後はダブルベッドに横になり、
ユウの後ろから抱き枕のように抱き寄せる。
「電気消さないのー?」
「んー。まだ携帯見てる」
見てるというより目を瞑って聞いている。
千恵美と別れたい意識は変わらない。
離婚して独り身になる。
「ユウ。しばらく泊めてくれ。
家、まだいるから…」
「それは良いけど…。
佑都くんと、離れても平気なの?」
「……ああ」
第一、俺の子じゃない。
母より父のことを慕ってくれていたけれど
あれば全部、
千恵美が洗脳するように
佑都に教え込んだこと。
俺が帰らなければ、
二度と顔を合わせなければ
見捨てた父なんだと憎むだけ。
「俺が、頑固なのは知ってるだろ」
戻ったとしても
今までのように接してやれない。
ギクシャクするくらいなら
別居するんじゃなく、
潔くお互い理解し合える奴と一緒になればいい。
なかったことに出来ない
山積みの思い出。
心があるから分かってる。
本当は傷付いて強がってるだけだって。
分かってるからケジメをつけたい。