第12章 知らせ
考え事をして殆ど耳には入ってない携帯の音。
居心地のよいぬくもりのある抱き枕を
耳横に頬をつけて
もっと強く抱き締める。
「…ユウはさ…。
男好きになったことある?」
「……へ?」
「イケメン好きじゃなくてさ、
男が…、女好きになるみたいな。
俺は恋したことないから分かんねえけど」
ユウは受容があるから
同性愛に対して
批判的意見は持たないと思うのだが。
湊もユウが働く美容院行きづらくなるなるし、
念のために確認する。
それに、湊との恋も
相談とか応援してもらいたい、つって…。
「そ…れって、世の中でいう
セクシャルマイノリティのこと?」
「ああ。ユウはどう思う?」
ユウの耳が赤くなってる。
ユウの耳は敏感だからな。
息かけたらすぐ赤くなる。
反応もいちいち可愛くて面白いし…。
(なんか。すげー困ってる…?)
ユウにしては珍しいほど返答が遅く、
顔を覗きみようと半身を起こした。