第12章 知らせ
車の中で頭を冷やし、
駐車場を出て車を走らせる。
向かう場所はだたひとつ。
俺の安全地帯。
俺を癒してくれる場所。
ピンポーン…
「はーい。…って、アキ、どうしたの!?
スーツのまんまだし
そんな大荷物抱えて…ってうわぁ、イテッ」
俺より数センチ大きい身体に全体重を乗せる。
押し倒すつもりで玄関に押し倒して、
そのままユウの頭に腕を回す。
「抱かせて」
「…」
とにかく人のぬくもりが欲しかった。
落ち着くには、
一番好きな匂いを嗅ぎたかったから。
ユウは黙って身体を貸してくれる。
ユウは本当に良い奴だ。
強がって誰にも見せたくない弱い部分を
ユウは丸ごと全部受け止めてくれる。
「…とりあえず部屋の中に移動しよっか。
ここ、玄関だし、ね」
ユウは落ち着いた声を掛けてくれる。
俺の扱いもお手のもの。
部屋の移動して、
テーブルの前にお茶を出してきた。
「ビールがいい」
「とりあえず話聞いてからね。これとそれ!」
顔の痕とスーツケースを指差される。
ユウには本当に頭が上がらない。
どこから話せばいいのだろうと
呼吸を、長き吐き出したのであった。