• テキストサイズ

【R18】Querer【創作BL】

第12章 知らせ





部屋に戻って、
スーツケースのなかに無言で衣類を敷き詰める。





「武明!これには、事情が…っ…」


「事情じゃなく戯言だろ。
今さらなにを言ったって
嘘にしか聞こえない」


「ねえ武明…っ…、
お願いだから、
聞いてよ…っ…ねえっ」





千恵美は俺の腕を掴んで邪魔をする。

俺は何一つ間違っていない。





責められることなんて何一つない。








「──俺に触んな」








ギロッと睨むと千恵美は怯えた顔をする。

泣きそうな顔をして腹が立つ。





感情を爆発させるのもバカバカしい。

喧嘩する価値もない。


煮え繰り返りそうな感情を抑え、
あくまで平静を装って口走る。





「ッ…なら俺から言わせてもらうが、
病院行ったときも車ん中でも喫茶店でも
俺は何度もおまえに確認したよな?

ほかに関係を持った男はいない、
間違いなくあなたの子ですって、
自分で認知したよな?

それなのに俺のDNAは否定された。
0%だぞ。
これ以上の証拠は他にないよな?
おまえの嘘つきの口から聞くか?
嘘しか言えねえんだろ?

ほかの男と認知した子供を俺に育てさせて
面白かったかよ。

家族ごっこはもう終わりだ」





荷物をまとめて立ち上がると、

奴は諦めが悪く
頬を濡らしてしがみ付いてきた。


/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp