第12章 知らせ
風呂場に行く前に寝室に寄ると、
枕元にDNA親子鑑定結果報告書と印字された
封の切られていない封筒が目に入った。
「あぁ…届いてたのか」
湊のことで頭がいっぱいになっていた。
気持ちが休まらないまま
はさみで封を切り、
報告書を取り出そうとしたとき
千恵美が声を出した。
「あのね、武明…」
「ん?」
「……、…」
「なんだよ。黙ってちゃ分からん」
口を何度か開きかけるが言葉にしない。
一体なにがしたいんだ。
1枚しかない報告書を取り出し、開き見る。
DNA親子認定鑑定 : 否定
解析の結果、擬父が子供の生物学上の父親であることは否定されました。親子である可能性はまったくありません(0%です)。
「……そうか」
佑都は俺の子ではなかった。
「武明…っ…」
こいつはこの6年間、
…ずっと
「マイホームの話しは取り消しだ。
2週間やるから荷物まとめて実家に帰れ」
息を吐くように嘘をついていたのか。