第11章 男の身体 *
湊は整った顔をしている。
肌も綺麗で鼻も高く、
パーツのバランスも良いから見栄えも良い。
声は低くも高くもない声。
女とは到底思えない男の発する領域。
体つきはどうだ。
唇は柔らかかった。
色気のある鎖骨も綺麗だ。
けれど腕は硬くて筋が張っていて、
乳首は薄桃色だが胸はまったいら。
腰は細くて引き締まってる。
その下を飛んで
脱毛したのか毛もなくスベスベで
太腿を撫でたが女みたいな脂肪分はない。
「…っ…」
「ほら。我に返ったでしょ…?
貴方はノンケなんです」
長瀬の排泄したものを顔面に浴び、
さんざんデカくなったのを
見せられたから問題ないと思った。
しかし、
湊には幻想を抱いていたのかもしれない。
「良かったですね。
媚薬の効果も治まったみたいです」
「ぁ…」
湊は女じゃない。
同じ男だから、
俺にあるものだって
当たり前のようについている。
パンツ越しまでは平気だった。
自分と同じ付いてるんだって確認したはず。
それなのに、
本物にピントがあった瞬間
…全身が縮こまった。