第11章 男の身体 *
点々とつく無数の赤い痕。
これは俺がつけたキスマークだ。
「んっ…」
無数に散りばめられた赤い痕をなぞって、
満足げになって頬が緩んでしまう。
首筋の痕からなぞるように顔を下ろしていき、
硬くなった色素の薄い桃色の突起を
舌でぐるりと舐め回す。
「意外と男でもイケるな…俺」
「そのうち幻滅しますよ。
見えないように照明落とした方が…」
「ここの硬くなったところとか、
見たら俺は萎えるのか?」
「大抵はそうなります」
「なら試そう。
照明は落としたくない。
明るいところでSEXした方が興奮すんだろ?」
「ご勝手に…」
むしろ媚薬の効果をなんとかしたい。
異常な興奮状態で
心臓やら臓器やら苦しくて引き裂かれそうだ。
湊の履いていたズボンに手をかけ…
「上等に腫れ上がってんな」
「牛垣さんの愛撫が気持ち良かったから…」
「乱暴だったろ」
「気持ち良かったんです」
キスマークは独占欲が剥き出しの形。
今まで関係を持った女に
こんな痕、付けたことがあっただろうか。
けれど今は過去の女はどうだっていい。
最後の布となる下着に手をかけ、
怒張している男の所有物を
目の当たりにした。