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【R18】Querer【創作BL】

第11章 男の身体 *





受話器に耳を抑えながら、

出るな…
出ないでくれ…

と願う自分とそうではない自分。





「!?」


『……はい。牛垣、主任…?

どうか、しましたか…?』





無言電話で受話器の向こう側は窺っている。



…湊の声。



しばらく振りに聞いた気がして、

訳の分からない感情が込み上げてくる。





「…頼むから何も聞くな。
●●駅近くにあるケレール・ホテル
そこの61号室で待ってる…」


『えっ?…──』





来いとも、来なくても良いとも伝えず、

待っているとだけ伝えて一方的に電話を切る。





ちゃんと聞こえてなかったのならそれまで。





上司命令だと思って湊は忠義を見せるだろうか。

ホテルといったから理解はしたはず。


必要以上に言わなくたって
湊なら理解できるはずだ。








「サイテーだな…俺…」








排泄だけのために女と付き合っていたように、

都合のいい部下にも
そんな仕打ちをしようとしている。










頭では理解していても、

誰かのぬくもりを感じたくて…



願わくば、湊の心を試したかった。


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