第9章 濁音 *
燃え上がるように熱くなる身体。
不思議と悪寒というものはなく、
特に力がこもっている声帯や腕周りが熱い。
「アーもう俺、
我慢できなくなっちゃいました!
…牛垣さん、
俺を見てもっと悦んでくださいねっ」
長瀬はカチャカチャと腰ベルトを外しだす。
伏せた身体を起こされると、
目の前には
血管むき出しの勢い勃った男の所有物。
肉筒を作ってリズム良く扱きはじめた。
「はぁ…はぁ…。
牛垣さんに見られてオナニーできるなんて、
もう溢れちゃいそうです。
あぁ、今からこれが牛垣さんの
アナルに挿入られると思ったら
はぁ…はぁ…」
気色の悪い光景。
目の前にいる俺をみて、
鼻息を荒げながら自慰行為をしている。
「はぁ…はぁ…。
俺のこと、キモイって思ってるんでしょ?
そうなんですよね?
無視するなら口の中孕ませますよ?」
「やめてくれ…。
見ててやるから。頼むから…っ、
そんな臭ェもん俺に向けんじゃねえッ」
「あぁ…。
牛垣さんの低くてイイ声。好きぃ…。
んぉおーっ、出りゅぅう~!!」
「!!?」
顔を背けようとしたが髪を強く掴まれる。
そして
ドピューッ…と生暖かい液体が
鼻の横に飛び散った。