第9章 濁音 *
ねっとりとした濃い液体。
鼻の奥まで侵すような腐食臭。
至上クラスに最悪だ。
「ふぅ~!たっぷり出ちゃいましたね。
牛垣さんのために頑張って絞りましたっ!
牛垣さん…、
俺の精液浴びて興奮したでしょ?
今度は、
牛垣さんの番ですねっ」
「!?」
口で反論したいが、
ぶっかけられた液体が気持ち悪すぎて開けない。
粘り気が強くて顔に張りついている。
早く拭いたい。
右や左を向いても
拭えそうなワイシャツには届かなかった。
「最初は手っ取り早く
気持ち良くなってもらうために
電マ使いますね。
今までだれかに使ったことありますかね~?」
「ぅくッ、ふ」
長瀬はスイッチを入れた。
スラックスを着ている生地越しに当ててきて、
熱振動をヴィイィイィイ…と
少し腫れあがった部分に擦り当ててくる。
「んぐ…っ」
「体が無性に熱くなって、
痺れるほど感度が良いでしょう?
お察しかと思いますが
俺が使ったのは媚薬です。
中毒性はないって書いてあったんですけど、
俺にハメられちゃったら
SEX気持ち良すぎて
そっちの中毒なっちゃいそうですけどね」