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【R18】Querer【創作BL】

第9章 濁音 *





ユウの痕跡までたどっていた嫌悪感。


家庭や家族まで手が及んでいたら…





「答えなくないですか?
まあ湊のことなんてどうでもいいですけど。

お薬飲んでくれなかったので
今度はお注射です。
危ないので暴れないでくださいね?」



「!?触るなっ、やめろ!!」





本当に注射器を出されるとは思わず、
緊張が走る。



ケースの中から小さな注射を取り出すと

頬を地面に押し付けられた。





「離せッ!!」








腕は縛られていて動かせない。

上腕の筋肉を摘ままれ、
鋭利な針先をみて身が震えあがる。





「やめッ…っ」





チクっと皮膚に刺さった痛み。

後ろ側で見えないが冷たいものを感じる。



ものの数秒で投与され、
針が抜かれた。





「注射は即効性もあるんだとか。

…どうです?
身体に異変は感じませんか?」





口に残っている甘ったるい風味。

舌が痺れたように熱くなってきて、
それは身体全体にも
広がっていくような感覚。





「っ…」





「効果は、十分のようですね」










長瀬が背筋をなぞってきた。

これまでにないほど背筋に電流が走り、
長瀬は嘲笑うように息を吐き出した。


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