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【R18】Querer【創作BL】

第9章 濁音 *





手は背中側に固定され、
結び目が固くて微動だにできない。

抵抗しすぎたのが仇になった。



折り曲げた足には縄の代用品として、
何重にもガムテープが巻かれている。



縄よりガムテープの方が解けそうな気がしたが
焦りからか
思い通りになってくれない。





「チィッ」





このままでは奴の餌食になってしまう。



この部屋の扉を開けたら
目にしたのは壁一面に張られた俺の写真の数々。



高校や大学でのモデル時代の写真。


しかし、それ以外にも
盗撮された高校や大学での日常風景、
今働いている会社の写真まであり、

その量は尋常じゃない。



写真は大きいものから小さいもの。
壁紙のような大きさのもあった。





「くそッ」





ユウのように
コレクションしている部類とはまるで違う。



奴のは異常。



口の中は血の味がする。
焦りともに気味悪い汗が滲む。



このガムテープさえなんとか出来れば

奴を蹴り飛ばせる。









刻一刻と時間が迫り、

何も解決できぬまま閉ざした扉がまた開いた。


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